血糖値・腸・空腹感がカギ

2019/07/21 ブログ
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20年ほど前は、テレビでも雑誌でも「◯◯を食べたら血糖値が下がった」とか「△△を飲むだけでガンが消えた」と言った体験談が構成されているものが多かったですが、最近科学的根拠(エビデンス)に基づいて、情報が発信されるようになってきました。その一方で、論文などの一次情報をきちんと調べていなかったり、都合の良いデータだけを切り取って、効果があるように見せかけるケースもいまだに見られます。

日本人と他の民族では、体質も食習慣も異なります。欧米人にとって良い食事であっても、日本人がそのまま取り入れて効果があるとは限りません。そこで私たち日本人が特に意識すべきポイントを挙げてみます。

 

①血糖値が急上昇しにくい食事

②腸によい食事

③空腹感を大切にする   等です。

 

日本人は血糖値をコントロールしているインスリンの分泌量が、白人や黒人に比べて弱い為、血糖値が上がりやすい食事を続けると、糖尿病にかかりやすくなります。糖尿病は腎症や認知症、ガンなどのリスクを高くする、いわば万病の元なので、血糖値が上がりにくい食べ方をすることが、多くの病気を予防することにつながります。

また、腸内細菌の研究が進んで、腸内環境をよい状態に保つと免疫力が高まり、生活習慣病の発症リスクが抑えられ、心の状態を改善するといった報告もあります。

そして空腹になると、ノーベル賞受賞で話題になった「オートファジー」(自食作用)や、長寿遺伝子が活性化し、老化や病気を防ぐ働きにスイッチが入ることがわかっています。

 

「食物繊維を多く含む食材を意識して摂る」ということも効果的です。食物繊維には糖質の吸収を穏やかにして、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。また、食物繊維には胃や小腸でほとんど吸収されずに大腸に運ばれ、有用菌のエサになって腸内環境を良好にする働きもあります。「空腹」と食物繊維にも、実は密接な関連があります。食物繊維の多い食事を摂ると、血糖値が緩やかに上がった後、緩やかに低下するので、腹持ちが良くなります。食物繊維というと、野菜や果物をイメージする人が多いのですが、野菜だけで必要な食物繊維を摂取するのはかなり難しいと言えます。食物繊維には、便のカサを増やしてスムーズな排便を促す【不溶性食物繊維】と、血糖値の上昇を抑え、腸内で有用菌のエサになる【水溶性食物繊維】があり、血糖値や腸内環境を改善するには水溶性食物繊維の摂取が欠かせません。ところが、一般的に野菜には水溶性の食物繊維があまり含まれておらず、果物は水分が多く、1食で摂取できる水溶性食物繊維は限られます。おススメなのは【大麦】と【海藻】です。穀物から食物繊維を多く摂っているグループは、糖尿病になるリスクが約25%下がりましたが、野菜から食物繊維を多く摂っているグループのリスクに変化はあまりありませんでした。野菜は様々な健康成分を含みますが、食物繊維の供給源としてみれば、穀物のほうが糖尿病予防効果は高いと言えそうです。1日に食べる全粒穀物の量が増えるほど様々なリスクが低下するという報告もあります。全粒穀物とは玄米、全粒粉、オートミールなど未精製の穀物製品のことです。海藻類にはアルギン酸という水溶性食物繊維のほか、フコイダンなどの多糖類が豊富に含まれています。また、糖質制限をしている人の中には穀物やイモ、果物などを一切口にしない人もいますが、これらの食材は食物繊維の重要な供給源でもあります。極端に制限すると有用菌のエサが減り、腸内環境の悪化を招く危険性があります。